理由の一つは、能力者の血筋として、天魔覆滅の業を継ぐ為の修行。
もう一つは、母を蝕み、湯水の如く財を吸い続ける病の治療費の為。
依頼ルートがある程度固定されている為、直に仕事を持ってくる相手は基本的に一人。
彼が卸してくる仕事は大きく分けて下記の2種。
囮や時間稼ぎ役等、実力不足でも潰しの利く代わりに厳しく危険な仕事。
そして、未だ年若いこのはの年齢を最大限に生かす仕事。
どちらの業務も有体に言って上等なモノではなく、このは自身不満があったものの、
提示される高額の報酬を手放せる道理も無く、悪態を吐きつつ従っていた。
尚、具体的な業務内容はこのはが決して口外しようとしない為不明。
忍者としての矜持もあるが、何より父と祖父にとやかく言われるのが嫌らしい。
銀誓館学園への編入した現在は当然、請け負う頻度は激減している。
ただし学園レベルの恩恵により上がった実力に合わせ、幾らか上等な仕事を持ち掛けられる様になった。
勿論、跳ね上がった報酬と正比例、いや、累加したかのごとく酷い仕事内容なのだが、年単位の付き合いから何だかんだ相手に情の移っているこのはは、渋々ながらも可能な限りそれらの依頼を請け負っている。
無論、
相手がこのはのそう言った都合や甘さを全て把握し、
打算を働かせた上で彼女へ仕事を持ち掛け続けている事は言うまでも無い。
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